パワハラがなぜ続いてしまうのか?
パワハラは、なぜ続いてしまうのでしょうか?
これだけ「ダメだ」と言われているにもかかわらず。
今回は、「コミットメントと一貫性」という人の心理傾向から説明したいと思います。
すごく分かりやすくお伝えすると、コミットメントというのは、「約束」や「決心」のことです。
例)
・週に2~3回は、運動すると決めること
・パートナーが困っている時には、お互いに助け合うと約束すること
一貫性というのは、「決めたことを最後まで守り通すこと」です。
例)
・週に2~3回は運動すると決めたなら、ちゃんと実行する
・パートナーが困っている時には、お互いに助け合うと約束したなら、助け合う
これは、とても大切なことです。
なぜなら、自分で決めたことを守ることで、周囲の人から信頼してもらえる。
一度決めたことを守り通すと、自分に自信が持てる。
つまり、コミットメントと一貫性は、「約束したことを最後まで守り通す」という大切な心掛けのことなんです。
さて、何となくコミットメントと一貫性についてご理解いただけたかと思います。
このコミットメントと一貫性ですが、悪い方に働いてしまうと、パワハラが続いてしまいます。
流れとしては、こんな感じ。
1. 小さな始まり
・最初は「少し厳しく指導しただけ」
・「強く言わないと部下が動かないから」と思い込む
2. 続けてしまう理由
・一度やったことは、何となく続けたくなる
・「前もこうやったから」と習慣になってしまう
・自分の行動を「必要な指導」と正当化してしまう
例)
大和田常務は、はじめは期限に間に合わせるため声を荒げただけだった
↓
でも、強く言うと部下が素早く動いてくれた
↓
だんだん「厳しく指導するのは、必要なこと」と思うように
↓
そして「威圧的な態度で指導」が日常的な習慣になってしまった
3. 変えられない理由
・「自分のマネジメントスタイル」として定着
・別のコミュニケーション方法を学ぶのが面倒
・これまでの行動が「間違い」だと認めたくない
つまり、
・一度始めた行動パターンは、なかなか変えられない
・その行動を「正しい指導方法」と思い込んでしまう
・だんだん「当たり前の対応」になってしまう
このように、一度始めた行動は続きやすいという「コミットメントと一貫性」の力が、パワハラを継続させてしまう要因の1つとなっているんです。
強豪校の顧問の指導方法が、一時期問題になりましたよね。
昔はそれでいけたのでしょう。
しかし、時代が変わり、もう昔のやり方のままでは、ダメになりました。
それでも、このコミットメントと一貫性の力も働き、なかなか止められないわけです。
本人に強い意志と、常に価値観をアップデートしていこうとする姿勢がなければ、なかなか厳しいと言えるでしょう。
本当にどんどん価値観が変わり続ける時代です。
変化が早い。
ものすごく早い。
私も気をつけたいと思います。
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